型押し

シート状の白樺樹皮に模様や絵柄を刻み付けるために、木製や金属製、骨製の「たがめ(凸凹をつける工具)」や「スタンプ」が使われます。

初期の模様は単純な円、縞模様、ひし形などでしたが、その後、職人が一番好きなものを描くのがよいとされ、、シベリアの自然、動物、草花を描いた絵柄花、鳥、家、動物などが描かれるようになりました。複数のスタンプを使って非常に複雑な模様を描くこともあります。

耐久性を高める天然着色料で「焦げ色」にみえるよう色付けされることもあります。

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縁かがり

「シベリア地方の白樺樹皮は動物の皮革のように強靭で柔軟、ひものようにして編みこむことができます。

マイナス-50°の寒さでボロボロになる接着剤を使わずに、連結部分を白樺樹皮紐(ひも)で編みこんで作られた「縁かがりベレスタ」は、丈夫で実用的、世代を超えて、数百年も長持ちします。

フタ面や側面の内側にも複雑な編みこみ装飾が施されているものもあります。紐を通す穴を一つ一つ開けて、手作業でひもを通してきっちり編みこみますので、製作は大変な重労働です。

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カッティング

職人はたった一本のナイフから様々な 形状のカッティング装飾を作り上げます。パターン化された文様も作られ、透かし彫りの場合はその下の模様も楽しむことができます。層毎に色の異なる樹皮が使われることもあります。

装飾

フタと側面には、色合いの異なる樹皮(伝統手法で着色)を2〜3枚、重ねて、それぞれに繊細な装飾彫り模様がつけられ、立体感のある装飾になっています。

多重柄

白樺樹皮を細かくカットし重層的に貼り付けた、更に細かい装飾を施した、新しいタイプのベレスタ。色調の異なる樹皮装飾が、少なくても4層、最大で10層も重なっています。

透かし彫り

容器内側は清浄な白樺樹皮そのもので乾燥食品の保管にも適しています。

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キャニスター・筒

筒の制作はベレスタ手工芸の中で最も複雑なものの一つです。筒側面に白樺樹皮が使われ、底とふたはマツやシベリア杉の木質が使われます。

折り返しタイプの筒は、長めの内筒と外筒を重ね、上下に突き出た内筒の端を蒸気で蒸してやわらくし、めくって、外筒の上にかぶせ、柳の細枝でしっかり結んで固定します。

縁かがりには、木の根、白樺樹皮、柳の枝、なわ、ワイヤーなどが使われます。ふたの開閉に弾力を与えるため、上部に縁かがりがされたり、飾りとして底部にも縁かがりがされたりします。

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絵画・ラッカー

ベレスタの筒や小物入れには、よく絵が描かれます。筒全体に色を塗って、そのうえに更に絵を描く場合もあります。絵を描く前に糊や、下塗チョークとにかわを混ぜた塗料で下塗することもあります。テンペラ画絵具、油絵具を使って描く場合もあります。絵を描いた後をラッカーで上塗りする場合もあります。完成品の白樺工芸品にアマニ油またはひまわり油を塗ることもあり、これにより製品に輝きがでます。

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手編みかご

白樺樹皮をカットして作ったひも状の樹皮を使い、縦糸と横糸を編みこんで作る方法は、古代からベレスタの製法として使われています。北欧など白樺が身近な国々でも白樺の編みかごが作られていますが、ロシアの編みかごが北欧で使われることも多いようです。

ロシアでは古代から、防水、保温保冷、天然防腐効果のあるベレスタの靴(長靴、スリッパ)、きのこやベリーを集めるショルダーバッグやバスケット、食器カゴ、子供のおもちゃなど様々な生活用品が作られ使われてきました。 素朴な手編みカゴは和風の生活にもとてもよく合います。

垂直織と斜め織

手編み作品には、樹皮ひもを斜めに交差させる「斜め編み」と、垂直に交差させる「垂直編み」があります。 「垂直編み」は、マット、ブックカバー、箱など、平面(角形)の作品を作る場合に適しています。 「斜め編み」はカゴ、花瓶、小物入れ、ベルトなどで、「斜め織」の方が制作しやすく、かつ耐久性があります。